プラモデルテクニック情報 スミ入れについて しみだし技法

2014-12-15

前回のエナメル塗料を利用したスミ入れ方法に続き、ガンダムマーカーを利用した
染み出し技法のご案内になります。
 
染み出し技法はガンダムマーカーの上にラッカー系塗料を塗った場合に、
ラッカー系塗料に下のガンダムマーカーの一部が染み出してくる現象をスジ彫りや
リベットの強調表現に用いる技法となります。

この技法のコツは塗料が液体となっている状態を管理することになります。
染み出すという現象は塗料が液体の間だけ起こります(ペーパークロマトグラフを思い出してください)ので、
缶スプレーやエアブラシで厚塗りするように液体の時間を長くとると染み出しが予想以上に広がってしまい、こうなるとリカバーできません。
狙ったスジ彫りやリベットに思い通りの効果を出せるようになるまである程度の慣れは必要ですが、
繊細なモールドやリベット表現が際立つのと、薄い塗膜によるシャープな作品表現が実現できます。

塗膜が薄くなるためある程度の表面処理は必要となります。パーツ表面のヒケや傷はサフェーサーに頼らず自分で処理します。
スジ彫りが浅かったり消えかかっている部分は掘りなおしを行います。
リベットについても凹リベットならば開き具合をそろえます。

表面処理が終わった時点でガンダムマーカーを塗っていきます。
スジ彫り以外のところはあとで削りますので思いっきり広く塗ってください。
マーカーはスミ入れ用ペンタイプでも通常のマーカーでもどちらでもかまいません。

<マーカーを塗った状態>
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使用する色についてはまだまだ研究の余地はありますが、最初はガンダムグレーなどグレー系を選んでおけばいいでしょう。
黒の場合はっきりとした色になってしまい表現がすこし不自然になります。

次ににガンダムマーカーを落としていきます。#800~1000の耐水ペーパーで水研ぎしていきます。
ここでモールド以外に塗られたガンダムマーカーが落ちてモールドが際立ちます。
また細かな耐水ペーパーでならした下地はそのまま塗料の足つきになります。
ペーパーがけが終わった下地はアルコール系ウエットティッシュで表面の油分や削りかす等をふき取ります。
この状態から手脂などをつけないように気をつければ塗装の剥離などはまずおこりません。

<ペーパーで水研ぎした状態>
DSC08476

まずは機体色の塗装から、Mr.カラーやガイアカラーなどラッカー系塗料で塗装を行います。
エアブラシに入れる塗料の薄さは通常の仕上げよりも薄めにします。薄めた塗料を少しずつ置いていく感じで塗っていきます。
はじめに説明したようにここでは塗料が液体でいる時間に注意してください。
初回の塗装はマーカーと塗料をなじませるように少量とします。
なじませたあとは徐々に増やしていってもいいですが、くれぐれも厚塗りには注意してください。
この時点でスジ彫りマーカーが見えなくなることもありますが、気にしないでの塗装を進めていきます。
見えなくなったスジ彫りも最終工程のクリア塗装で復活するからです。

<初回塗装時の状態(今回の見本はかなり染み出しています。)>
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<初回塗装時に厚塗りしてしまった状態(モールドからはみ出して染み出ています。)>
DSC08479

基本塗装が終わった段階でデカールを貼ります。所定のデカールを貼り、十分に密着・乾燥させたところで
クリアを吹きます。クリア塗料はクレオス・ガイアどちらでも大丈夫なことはわかっています。
ここでもクリア塗料は薄めになるように溶剤を加えます。感覚的には「これで大丈夫?」というくらい薄い濃度で吹いていきます。
とはいってもいきなりたくさんのクリアを乗せるとデカールの溶解が始まりますので最初は
すな吹きと呼ばれる少量の吹きつけとなります。
この工程は基本塗装の初回と同じ感覚です。
デカールとクリア層がなじんだら薄めたクリア塗料を置いていきます。
クリア塗料で一気に染み出しが始まりますので行き過ぎないようにコントロールしていきます。
溶剤で薄めるのは染み出しを進める意味と塗料がたれやすくなるため、たれないように厚塗りをしなくなる意味もあります。
このままクリアを乾燥させてスミ入れがたりない部分、強調したい部分を別途エナメルでスミ入れして完成です。

<クリアー塗装を行った状態>
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この技法のいいところとして、
・染み出したスミ入れが適度にベースの塗料とブレンドされて面白いに色なる。
・細かなモールドが埋まらないで表現できる。
・スジ彫りを整えたところがわかるので時間が開いても続きができる。
・スジ彫りの終わりがわかるので、塗装に行くタイミングがわかる。
・下地処理の段階でスジ彫りのミスがわかるので、完成間近にがっくりすることが少ない。
 といったところでしょうか。

慣れが必要な技法になりますが、一つの技法として覚えておいていただければ幸いです。
わからないことなどございましたら店頭にてお問い合わせください。


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